眼内に起こった炎症性疾患を総称してぶどう膜炎と呼びます。

その原因は様々で、実に40種類以上の原因が見つかっていますが、いまだ半数は原因不明です。以前は3大ぶどう膜炎として、特に頻度の高いフォークト・小柳・原田病、サルコイドーシス、ベーチェット病が挙げられていましたが、最近はベーチェット病が減少傾向です。

一方で悪性リンパ腫やサイトメガロウイルス網膜炎は増加傾向です。その他糖尿病、膠原病、腸疾患、抗癌剤の副作用などで発症します。小児から高齢者まで様々な年齢で見られます。原因が多種多様なため、治療を開始する前に的確に鑑別する必要があります。

ぶどう膜炎の治療

ステロイド点眼・テノン嚢下注射・内服・点滴

非感染性ぶどう膜炎の治療の基本はステロイド剤です。副作用の少ない点眼加療から開始し、重症度によって内服・点滴などを使い分けます。ぶどう膜炎の原因が全身疾患であれば、目だけの治療にとらわれず治療することが肝要です。

免疫抑制剤


ステロイド剤は即効性があるのですが、長期使用では副作用が問題になります。ステロイド減量により再発を繰り返す場合は免疫抑制剤を投与します。免疫抑制剤は即効性はありませんが、再発予防として有効です。

生物学的製剤


難治性ぶどう膜炎に対し、炎症を引き起こす原因となっているシグナル物質だけを抑える方法が近年開発されています。これまでの治療薬で効果不十分であった患者にも有効性が認められています。