目の生活習慣病


近視には遺伝と環境の両方が関与します。このうち環境による近視の出現は目の生活習慣病と呼ばれます。
親が近視で程度が強い方ほど、近視にならないよう生活習慣に配慮する必要があります。

近視の進行を抑制


子どもは近くを見る時目に力を入れて緊張させて見ています。
これを「調節をかける」と言います。
調節がかかっている時間が長いと眼球が楕円形に伸びて
ピント位置がずれることにより近視になるケースが多くあります。
そして一度眼軸長が伸びてしまうと戻ることはありません。
そのため眼軸長の伸びを抑えることが近視の進行を抑制するために重要となります。

近視の治療法

オルソケラトロジー

コンタクトを夜間装用し、寝ている間に角膜の形状を矯正します。良い点は2週間ほどで安定し日中裸眼で過ごせるようになることです。しかし寝ている間の装用は瞬きをしていないため角膜に傷を作ることがあります。コンタクトを装用できない期間が生じると眼鏡も合わないため続けにくいことがあります。

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遠近両用コンタクトレンズ

遠くも近くもコンタクトでピントを合わせているため調節緊張を和らげることができます。
これにより眼軸長の進展を抑制します。こちらはオルソケラトロジーと比べ
日中に装用するため瞬きで涙が入れ替わりコンタクトによるトラブルも軽減できます。
コンタクトを装用できない場合に眼鏡で代用できるため導入しやすさがあります。

マイオピン点眼薬

この点眼薬は緊張した調節筋を緩めて眼軸長の進展を抑制する効果が確認されている治療法の一つです。近視の進行を約60%軽減させます。
自費診療ではありますが主成分であるアトロピンは古くから眼科で使用されている安全なものです。

マイオピンは安全?


重篤な副作用は報告されていません。
一時的に瞳孔が大きく開き眩しくなりますが数時間で元に戻ります。
目の遠近調節機能にほとんど影響を与えません。

処方の流れ

お子様の目の状態を検査、診察し希望の患者さんへマイオピンを処方します。
その際マイオピンを希望される方には混合診療が認められていないため自費診療に切り替わります。

料金

検査・診察料3300円
マイオピン(1本)3300円

※マイオピンは1ヶ月に1本必要です
※3か月毎に検査、診察が必要です

※近視の進行が完全に止まるわけではありません。少なくとも2年間継続使用することで何もしない方と比べて近視の進行を軽減できたという報告を基にしています。