スマートフォンの普及、オンライン授業導入などによって、普段から近くを見ることが多くなり視力低下するお子さんが増加しています。これまでは、視力低下すれば眼鏡装用を開始し、度数が進行して眼鏡が合わなくなれば作り直してきました。しかし、度数があまりに強くなると、近くも見えなくなり裸眼では日常生活が困難になるばかりか、緑内障や網膜剥離などの病気を引き起こしやすくなります。そのため近年、近視進行予防への取り組みが活発になってきました。
オルソケラトロジーは寝ている間に特殊デザインのコンタクトレンズで角膜の形状を矯正するための治療材料です。2009年に日本で初めて認可を取得した新たな近視矯正治療法です。アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど、多くの国でその効果と安全性が広く認められています。
オルソケラトロジーは夜間コンタクト装用したまま寝ることで、眼にコンタクトの型がつき、角膜を変形させることで一時的に視力が改善します。オルソケラトロジーはもともと成人向けに開発されましたが、小児に使用すると近視進行予防になることが発見され、小児へ使用拡大されることになりました。
導入するうえで一番気をつけないといけないことは感染症です。コンタクト使用者ならよくご存じだと思いますが、コンタクトを長時間装用すると、傷を作ったり、感染症を起こしたりします。昼寝をすると、コンタクトが張り付いて傷を作りやすくなります。オルソケラトロジーは、わざとコンタクトを張り付かせて使用するものなので、常にコンタクトを清潔に保ち、結膜炎がある時は使用を控えるなど感染症対策を十分に行いながら使用する必要があります。
当院ではご両親や兄弟・姉妹に近視が多い方、近視の進行が速い方、激しいスポーツをしている方にお勧めしています。メリット・デメリットを十分にご理解いただき、導入をご検討ください。ご興味のある方はより詳しい説明を掲載しておりますので、下記メーカーサイトをご覧ください。
適応検査&テスト装用
【費用】
検査、点眼代等:5,500円
オルソケラトロジーレンズの装用に適しているか、近視の度合いや眼の健康状態を調べる「適応検査」を受ける必要があります。
- レンズの装脱着ができるか?
- オルソケラトロジーレンズの効果を体験(レンズ装用後、約1時間待合室にて待機)
- レンズのフィッティング状態の確認
- この時点でレンズ注文の有無を患者様へ確認いたします。
治療費用について
初年度
治療材料費(レンズ代含む)
全治療費:合計143,000円
治療開始以降の流れ
1.レンズお渡し
お試し期間 1か月
【レンズ保証金】44,000円
ここの患者様の眼の状態に合わせた「専用レンズ」をお試し装用体験できます。
(お試し装用に満足されなかった場合は、レンズ保証金は全額返金いたします。ただし1か月以内に限ります。)
【費用に含まれるもの】
- レンズ装用に必要なケア用品(1か月分)
2.治療(レンズ装用)
開始から1か月目に治療継続か中止か判断。
治療継続の場合
【費用】99,000円
満足され治療を継続される場合は、初年度にかかる残りの費用をお支払いいただきます。
【費用に含まれるもの】
- 初年度1年間の定期検査代
3.レンズお渡し後の治療(検査)の流れ
レンズお渡し後、以下の期間毎に検査をお願いいたします。
- 初めて装用した翌日
- 1週間後
- 開始から2週間後
- 開始から1か月後(治療継続か否か判断)
- 開始から3か月後
- 以降3か月毎
4.2年目以降の検査と費用
- 3か月毎の定期検査を必ず受診ください。
- 一回の検査代 3,300円
レンズの保証について
- 破損交換:お渡し後1年以内 片眼1回(無料)
- 紛失:補償対象外 1枚につき22,000円
レンズの使用に関する注意事項
- 眼に直接のせて使用するものです。取り扱い方法を誤ると重い眼障害につながることがあります。
- お渡しする取扱い説明書をよく読み、眼科医の指示に必ず従ってください。