網膜を走行する血管が詰まり、血管が破綻すると眼底出血をきたします。

出血が眼内に起きると硝子体出血となります。網膜細動脈瘤、網膜静脈閉塞症、糖尿病網膜症などの疾患で生じます。動脈硬化や糖尿病・高血圧・高脂血症など生活習慣病が原因です。血管が詰まるとその先の細胞に酸素が行き渡らなくなり、虚血になるため、むくみが生じたり、新生血管が出現してさらなる出血をきたしたり、網膜が薄くなって裂孔を生じたりすることがあります。

網膜血管の詰まりを解除する方法はなく、治療は対症療法になります。

治療

内服

止血剤や網膜循環改善薬を内服し出血の吸収を促します。

レーザー治療(網膜光凝固術)


酸素が行き渡らなくなった網膜をレーザーで焼灼し、生き残った細胞に酸素が行き渡るように再分配する治療です。

抗VEGF硝子体注射

血管障害により酸素不足になった細胞からはVEGFと呼ばれるシグナル物質が分泌され、出血の原因になる新生血管が生じてきます。このVEGFを抑える薬剤を直接眼内に注射する治療が2010年以降行われ始め、動脈瘤や網膜静脈閉塞症の主要な治療のひとつとなってきています。治療効果は高いのですが、薬剤の効果が切れると再発することがあるため病状によっては毎月投与が必要であり、高額な薬剤費がネックです。

硝子体手術


上記の方法で改善が認められない場合は手術になります。眼内を洗浄し硝子体を吸引除去、その後必要であればレーザーまで施行します。